機器分析利用サービス一覧

Service Listフーリエ変換赤外線分光器

原理及び特徴

赤外線を物質に照射した場合、ある条件を満足すれば、赤外線のエネルギ-が分子の内部エネルギ-に変換されます。 つまり条件に適合した波長の赤外線のみが分子に吸収されます。 同一のの赤外線を試料に通過させた光と、通過しない光との差をとることにより、吸収スペクトルが得られます。 特に有機化合物の分子の結合エネルギ-や振動エネルギ-は、赤外線のエネルギ-と同程度なため、よく共鳴吸収が起こります。 吸収される赤外線の波長は、分子の種類や分子の振動モ-ドにより異なるため、その組み合わせを調べることで定性分析が可能となります。 また、吸収スペクトルの強度や波長のずれにより、分子の数や分子の結合状態の変化を調べることが出来ます。 この原理を利用したのが赤外分光分析法です。

赤外分光分析法には分散赤外分光分析法(IR)とフ-リエ変換赤外分光分析法(FT-IR)とがあります。 赤外分光分析法はFT-IRの登場によって、飛躍的に内容が変貌しました。現在では、赤外分光光度計といえばFT-IRが主流となっています。 当機器分析室のFT-IRは自己補償型マイケルソン干渉計、高速フ-リエ変換アルゴリズムの使用などによって、 従来のプリズムや回折格子を用いたIRではできなかった、高感度、高分解能で信頼性の高いデ-タを極めて短時間で得ることが可能となりました。 また、操作はパソコンによって容易になっています。

図7-1 FT―IRの構成と光路図

FT-IRの仕様

(パーキンエルマー Spectrum One、Auto IMAGE)

波数領域7,800~225cm-1
最高分解能0.5cm-1(0.3,0.15cm-1)
S/N比120,000/1(180,000/1)
干渉計自己補償型マイケルソン干渉計(DynaScan)
顕微鏡部30倍、1~400倍(CCD上)
その他顕微反射測定装置、ユニバーサルATR測定装置、
高感度反射測定装置、液体用セル、MCT検知器

使用例

図7-2 Alのアルカリ系研磨溶液(ユニバーサルATR法)

アルミニウムの化学研磨溶液は酸性系が一般的ですが、これは研究で使用しているアルカリ系の研磨溶液のスペクトルです。

図7-3 ポリスチレン(透過法)

一般に使用されているフィルムを透過法で測定しました。

図7-4 Al表面の酸化皮膜(高感度反射法)

Alを酸性系化学研磨溶液で処理した表面皮膜を高感度反射法で測定した結果です。